ユニット内及び稽古場におけるハラスメント防止ガイドライン

本ガイドラインについて

本ガイドラインは、以下で公開されているガイドラインに一部加筆・修正を行ったものです。
https://note.com/minote_art/n/nc8e4fa07d50b?magazine_key=m1dfab2eac760

本ガイドラインの運用について

演劇ユニット平成レトロでは、各公演・試作等の初回稽古において本ガイドラインを叩き台とした話し合いを行い、その稽古場におけるハラスメント防止のガイドラインを都度作成していきます。

ハラスメント防止のためのガイドライン
ハラスメント一般にかんするガイドライン
  1. 相手を、集団のメンバーである以前に、一人の人間として尊重すること。
  2. 不当に主語を集団に拡張させて主張しないこと。
    (例「劇団員として許せない」「メンバーとしては認められない」など)
  3. 何がハラスメント・不快だと思うかについては、人によって異なることに注意すること。
  4. 相手が拒否している言動・行為を繰り返さないこと。
  5. ハラスメントの被害者から、ハラスメントだという指摘がいつもあるとは限らないことに注意すること。それゆえ、拒否がなされないからといって、同意と勘違いしないこと。
  6. 劇団及び作品に関わる全ての人は、自分のやりたくないことやらない権利、言いたくないことを言わない権利を有しており、これらを互いに尊重すること
パワー・ハラスメントにかんするガイドライン
  1. 演出家・プロデューサーなどの人事権や、金銭に関する決定権、その他あらゆる権力(他の人の損得に関わることがらを決めることのできる立場にあること)を持つ人間は、自身の発言について慎重になること。
  2. 暴力はハラスメントであり、犯罪である。物に当たる行為も、恫喝にほかならない。
  3. 俳優・スタッフへのオファーは、原則として企画書とともに、ギャランティを明確にしながら行ない、口約束だけで行なわないこと。ギャランティが払えないときは、払えないことを明確にすること。
  4. 演出家は、社会通念に反するとされる行為を俳優に指示する際には、それが強制にならないか注意し、そのつど俳優の許諾を得るなど、十分配慮しながら演出すること。(例.暴力・過度な露出・性的な接触など)
  5. すべての劇団員は、劇団員であるというだけで、客演の俳優・スタッフよりも稽古場での発言権が相対的に強くなりうるということを、自覚すること。
  6. 相手の存在・能力・性格・見た目・キャリアを否定する発言はしないこと。その他、相手の意思によって変化できないことについては、否定しないこと。
    (例「やる気あるの?」「なんでいるの?」「ブスだね」「その仕事辞めた方がいいよ」等)
  7. ほかの人の目に付く場所で叱責・罵倒しないこと。
  8. 稽古場等の活動の現場から、本人の意思に反して強制的に帰宅させるようなことはしないこと。
  9. 不必要に大きな声・音を出さないこと。
  10. 不必要な場面で、殴るフリなどをしないこと。
  11. 特定の劇団・演出家・劇場・俳優・仕事・家族・宗教、等々を誹謗・中傷することは慎むこと。
    様々なルーツ・目標・思想・憧れ・属性・価値観を持つ人が座組にいるということを自覚すること。
  12. 相手のミスを注意・叱責する際には、相手のどの部分をあなたが問題だと感じて、相手にその後どのようなアクションをとってほしいのかを具体的に言葉で示すこと。そのさい、相手の良心を信じ、人格を疑うような発言をしないこと。
  13. 団体の外の俳優・スタッフに、新たな仕事を依頼する際には、それがオファー時点で含意されていた仕事なのかどうか(本来の仕事に入るのかどうか)に注意すること。本来の仕事に入らないときは、依頼の仕方に注意・配慮すること。
  14. 団体のメンバー同士がプライベートで仲良くする義務は一切ありません。たとえば、旅行・観劇・遊び等の誘いは、当然ながら参加自由であるし、それに不参加であることによって何か不利益が生じる様なことがあってはいけません。
セクシャル・ハラスメントについて
  1. 不必要な性的な発言・行為をしないこと。
    特に、打ち上げの席での言動・行為には注意し、劇団員はプライベートな場だと思わないこと。今後の仕事につながると思って来ている俳優がいる可能性が少しでもある以上、完全なプライベートの場ではありえないことを自覚すること。
  2. 「男なのに」「女なのに」といった、性別についての言及が差別につながりうることに注意すること。
  3. 名前以外の呼び名・あだ名が、差別的な呼び名になっていないか、本人が少しでも嫌がっていないかどうかに注意すること。
  4. 「女性」「男性」であるからといったことを理由に、特定の仕事を強要しないこと。
  5. プライベートな関係・事情を劇団の活動に持ち込まないこと。
  6. 顔合わせ・稽古・本番・打ち上げの全てにおいて、作品制作にとって不必要な身体的接触を控えること。
  7. 他人の性に関するうわさ話をしないこと。
  8. その他、相手の性別が異なるとしたら行なわれない様な言動・行為は全て、セクシャルハラスメントになりうる可能性が高いことを自覚すること。
    たとえば、相手が女性/男性でなかったらしない発言・行為は、性差別がその根底にある可能性が高いことに気をつけること。
アルコールについて
  1. 飲酒を強要しないこと。一度断られたら二度と勧めないこと。
    また、劇団員は、劇団員・客演を問わず、この行為を見かけたらすぐに止めること。
  2. かりに泥酔した際であっても、自分の行為の責任を免れることはできないということに気をつけること。自分の行為に責任をとりきれないような状況を作り出すような自分に責任があるということを自覚すること。また、他の劇団員は、飲み過ぎている劇団員を止めること。